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展覧会趣旨


「うさぎ」―白く柔らかい毛に覆われ、赤い目。おとなしく食べられてしまうか弱い存在、その愛くるしい姿がマスコット化されたイメージ。しかしうさぎは、高度な生殖能力で自分のDNAを大量にこの世に送りだすことで生き延びてきた。本展は、弱者の手法で地球上での存在を維持し続けている「うさぎ」に共感を持つ二人の女性作家の展覧会である。

平面作家として日本画の画材を使用してきた筧有子は、7年余りのドイツ滞在を経て、制作コンセプトは自然、環境、時間軸などを志向し、ドローイングや布や刺繍等を使用した立体作品も手がけている。一方の上野千紗は、京都の美術系大学で現代美術を学び、植物や動物など生物的で身体性を伴うものの日常的な違和感をテーマにドローイングやインスタレーションを制作している。


京都で出会い、北ドイツを共に旅することになった彼女達が、互いの共感性について探りながら語り合い、その差異を解釈しながら、それぞれの制作を見つめ直すことでこの展覧会は成立している。彼女達が感じる「うさぎへの共感」とは、何を意味するだろうか。繁殖という日常的な革命を起こし続けるその手法に共感するのか、多産の特徴が古くから女性を象徴しているとされていることからか(そして今、現代社会において「多産」は危機に瀕している。これは、女性達のささやかな革命なのだろうか?)、また、現代社会の鏡として日常に必須ではないものを自らの意思で作品として「産み出し続ける」アーティスト達の宿命を象徴しているからだろうか?

 現代作家による一つ一つの展覧会を、価値観の変革を迫る小さな革命であるともし定義するなら、本展覧会もまたご覧になった方々が日常を抜け出すためのささやかなそれであってほしいと願っている。

企画  

「うさぎと革命」展 実行委員会



出品作家      

筧有子 上野千紗



ロゴ/チラシ デザイン

森垣賢



編集

ナカガワユウコ